都道府県別 生涯未婚率(男性)ランキング 2020年|東京32%・関東圏が上位独占、滋賀23%が最低

「生涯未婚率」は、50歳時点で一度も結婚していない人の割合として定義される指標です。少子化・人口減少を語るときに欠かせない数字ですが、その地域差は意外なほど大きく、社会構造の違いを映します。

本記事では、2020年(令和2年)国勢調査をもとに、男性の生涯未婚率を都道府県別にランキング化し、地域パターンと背景要因を整理します。

要点を先に整理すると、次のとおりです。

  • 全国平均は 26.98%男性のおよそ3〜4人に1人が50歳時点で結婚経験なし
  • 最高は東京都 32.15%、**最低は滋賀県 23.03%**で 9.12ポイント差(1.40倍)
  • 上位は 関東4県(東京・埼玉・神奈川・千葉)+ 地方部の例外(岩手・高知・沖縄・青森)
  • 下位は 関西・北陸クラスタ(滋賀・福井・奈良・岐阜・京都)と一部九州
  • 「都市が高く地方が低い」傾向が基本だが、岩手・青森・高知のような東北・四国の地方部も上位に入る

生涯未婚率とは

「生涯未婚率」は、国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が定義する 「45〜49歳と50〜54歳の未婚率の平均」 で算出される指標です。「50歳時点未婚率」とも呼ばれます。

実際には50歳を超えてからの初婚もありますが、その比率は1%程度にとどまるため、**「50歳までに結婚しなかった人は事実上、生涯結婚しない」**との考えに基づく統計指標です。

2020年(令和2年)国勢調査では、全国の男性生涯未婚率は 26.98%。1980年の2.6%、2000年の12.6%と比べて急速に上昇しており、過去40年で約10倍の水準に達しました。

都道府県別 生涯未婚率(男性) TOP10(2020年)

順位都道府県生涯未婚率(%)全国比(pt差)
1東京都32.15+5.17
2埼玉県30.24+3.26
3神奈川県30.07+3.09
4千葉県29.89+2.91
5岩手県29.61+2.63
6高知県29.45+2.47
7沖縄県29.12+2.14
8青森県29.08+2.10
9大阪府29.00+2.02
10茨城県28.85+1.87

TOP4は関東圏の東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県が独占しています。続く5位以下には、東北の岩手・青森、四国の高知、九州の沖縄といった地方部も並びます。「都市集中型」だけでは説明できない、地方部の特定エリアで生涯未婚率が高い現象が読み取れます。

都道府県別 生涯未婚率(男性) BOTTOM10(2020年)

順位都道府県生涯未婚率(%)全国比(pt差)
1滋賀県23.03−3.95
2福井県23.36−3.62
3奈良県23.64−3.34
4宮崎県24.64−2.34
5岐阜県24.79−2.19
6香川県24.96−2.02
7鹿児島県24.98−2.00
8熊本県25.08−1.90
9三重県25.09−1.89
10石川県25.26−1.72

最低の滋賀県 23.03% は最高の東京都との差が 9.12ポイント下位3県(滋賀・福井・奈良)は近畿圏のベッドタウンで、勤務地は大都市圏(京都・大阪・名古屋)でありながら居住地としての地縁が強く、結婚〜定住の循環が機能していることが示唆されます。

地域パターンの背景

関東4県(東京・埼玉・神奈川・千葉)が上位を独占する理由

  1. 若年単身世帯の流入: 進学・就職で全国から20代男性が流入し、そのまま単身で40〜50代に至るケースが多い
  2. 晩婚・非婚の選択肢としての都市: 結婚しない選択を取りやすい社会的環境(個人主義志向、生活コスト共有不要)
  3. 住宅・生活コストの高さ: 結婚〜子育てに要する経済的ハードルが地方より高い
  4. 男女比のアンバランス: 東京都の20〜30代男性人口は女性比約1.05倍と若干過剰(同年代の婚姻市場の構造的問題)
  5. 「東京で消費される独身需要」: 飲食・娯楽・サブスク等、単身で完結する経済圏の発達

関西・北陸(滋賀・福井・奈良・岐阜)が低位を占める理由

  1. 大都市通勤可能なベッドタウン: 京都・大阪・名古屋への通勤圏で、結婚後の居住地として安定
  2. 持ち家率の高さ: 結婚をきっかけにした持ち家取得・定住が起きやすい
  3. 三世代同居・親族ネットワーク: 結婚生活のサポート構造(離婚率の低さも連動
  4. 地縁・同窓ネットワーク: 地元の人間関係から結婚に至る循環が機能
  5. 保守的な家族観: 「結婚するのが当然」という社会的期待が相対的に強く残る

地方部の例外(岩手・青森・高知・沖縄)

地方部でも上位に入る県があります。これらの共通要因として、次が指摘されています。

  • 若年人口流出: 結婚適齢期の女性が大都市へ流出し、地元の男性の婚姻機会が減少
  • 第一次産業の構造: 漁業・農業の世帯後継ぎが結婚相手を見つけにくい
  • 離島・山間部の影響: 高知・沖縄は離島比率が高く、出会いの機会が限定

男女差・推移

参考までに、男性と女性の生涯未婚率には大きな差があります(2020年全国)。

  • 男性: 26.98%(このランキングの対象)
  • 女性: 17.81%

男性のほうが高い理由は、年下女性との結婚を選ぶ「年齢差婚」の慣行や、女性の高学歴化・キャリア志向で「結婚相手選び」のハードルが上がったことが背景にあります。

過去推移では、男性の生涯未婚率は 1980年 2.6% → 2000年 12.6% → 2020年 26.98% と、約40年で10倍以上に上昇しています。

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まとめ

  • 2020年の男性生涯未婚率は全国平均 26.98%男性3〜4人に1人が50歳時点で結婚経験なし
  • 東京都 32.15% vs 滋賀県 23.03% で 9.12ポイント差
  • 関東4県(東京・埼玉・神奈川・千葉)が上位独占、関西・北陸ベッドタウンが下位独占
  • 都市集中+地方流出+ベッドタウン定住の3層構造が地域差を生む
  • 男性生涯未婚率は40年で10倍以上に上昇、人口動態の根本的構造変化

最終更新: 2026-05-11。本記事は次回国勢調査(2025年実施→2026〜2027年公表予定)の結果が出次第、更新します。

出典