「離婚率」は社会の流動性と価値観を映す代表的な指標です。本記事では、厚生労働省「人口動態調査」の2024年(令和6年)データから、**都道府県別の離婚率(人口千人当たり)**をランキング化し、上位・下位の地域構造、背景にある経済・文化要因を整理します。
要点を先に整理すると、次のとおりです。
- 全国の離婚率は 0.155‰(人口千人当たり0.155件、年間で1000人中約1.55人が離婚)
- 最高は沖縄県 0.224‰、最低は富山県 0.113‰ で約2倍(1.98倍)の格差
- 上位は 沖縄・大都市圏(大阪・福岡)・北海道・九州南部 が並ぶ
- 下位は 富山・秋田・山形・新潟・石川・福井と北陸〜東北日本海側のベルトが独占
- 同じ全国平均 0.155‰ でも、地域差を考慮しない単一指標では読めない構造がある
離婚率(人口千人率)とは
ここで扱う「離婚率」は、人口1,000人あたりの年間離婚件数(単位: ‰=パーミル、千人率)です。総人口に対する比率で計算されているため、「夫婦の何%が離婚するか」とは異なります。
たとえば全国 0.155‰ は、「2024年の1年間に、人口1,000人あたり0.155件の離婚が成立した」という意味です。離婚件数そのものは人口比例で大都市が多くなりますが、人口当たりで見ることで地域構造が比較できるのがこの指標の利点です。
国際比較では、日本の離婚率は OECD 平均(1.6前後、‰換算で1.6‰)よりも低い水準です。これは制度上の難しさ(合意離婚が中心)と文化的要因(地域・家族との連続性)の双方が背景にあるとされています。
都道府県別 離婚率 TOP10(2024年)
| 順位 | 都道府県 | 離婚率(‰) | 全国比 |
|---|---|---|---|
| 1 | 沖縄県 | 0.224 | 144.5% |
| 2 | 大阪府 | 0.179 | 115.5% |
| 3 | 福岡県 | 0.179 | 115.5% |
| 4 | 北海道 | 0.176 | 113.5% |
| 5 | 宮崎県 | 0.174 | 112.3% |
| 6 | 和歌山県 | 0.170 | 109.7% |
| 7 | 熊本県 | 0.167 | 107.7% |
| 8 | 高知県 | 0.165 | 106.5% |
| 9 | 鹿児島県 | 0.165 | 106.5% |
| 10 | 大分県 | 0.163 | 105.2% |
沖縄県が0.224‰で圧倒的1位です。2位以下に大阪府・福岡県(同率0.179‰)、北海道、九州南部(宮崎・熊本・大分・鹿児島)が並びます。地理的には九州(南部寄り)・大都市圏・北海道に上位が偏ります。
都道府県別 離婚率 BOTTOM10(2024年)
| 順位 | 都道府県 | 離婚率(‰) | 全国比 |
|---|---|---|---|
| 1 | 富山県 | 0.113 | 72.9% |
| 2 | 秋田県 | 0.117 | 75.5% |
| 3 | 山形県 | 0.118 | 76.1% |
| 4 | 新潟県 | 0.119 | 76.8% |
| 5 | 石川県 | 0.126 | 81.3% |
| 6 | 福井県 | 0.127 | 81.9% |
| 7 | 岩手県 | 0.128 | 82.6% |
| 8 | 島根県 | 0.132 | 85.2% |
| 9 | 長野県 | 0.135 | 87.1% |
| 10 | 滋賀県 | 0.140 | 90.3% |
下位5県のうち4県(富山・新潟・石川・福井)が日本海側北陸で、5位の秋田、3位の山形を含めると「北陸〜東北日本海側」が下位を独占しています。最低の富山0.113‰は、最高沖縄0.224‰のおよそ半分(50.4%)です。
なぜ沖縄が高く、北陸が低いのか
このランキングの構造は、単発の年次変動ではなく継続的な地域パターンとして観察されています。背景として議論されている主な要因を整理します。
沖縄県が突出して高い構造要因
- 若年婚の比率が高い: 20代前半での結婚比率が全国平均より高く、若年婚は離婚率が高い傾向(年齢別離婚率の研究で確認)
- 再婚率の高さ: 沖縄県は再婚率も全国上位で、結婚・離婚の頻度自体が高い社会構造
- 三世代同居率の低さ: 親族ネットワークによる「夫婦間の関係修復への圧力」が相対的に弱い
- 米軍基地周辺の社会構造: 一部地域で国際結婚比率が高く、これは離婚率にも影響
- 女性の労働参加率が比較的高い: 経済的自立が離婚の選択肢を広げる
北陸ベルトが低い構造要因
- 三世代同居率が全国トップクラス: 富山・福井・新潟は持ち家率・三世代同居率がともに上位。家族・親族のサポート網が結婚継続を支える
- 持ち家率の高さ: 持ち家は離婚の経済的コストが高く、抑止要因として働く
- 共働き率の高さでもむしろ「分担型」: 共働きでも家事育児を地域・親族で分担する文化があり、夫婦間の負担対立が起きにくい
- 転入・転出が少ない閉じた社会: 地縁が強く、離婚に対する社会的圧力が相対的に強い
これらは「離婚率が低い=結婚が幸せ」を必ずしも意味しません。離婚しにくい構造と選択肢の少なさは同じ現象の表裏でもあります。
婚姻件数との関係
離婚率の絶対値は婚姻件数の絶対値とは別物ですが、両者を組み合わせると「結婚と離婚の流動性」が見えてきます。
たとえば沖縄県は、離婚率が全国1位(0.224‰)である一方、婚姻件数の自然人口比でも上位にあります。つまり「結婚も離婚も多い、流動性の高い社会」です。
逆に北陸は、離婚率も低く、婚姻件数の自然人口比も平均並みにとどまります。結婚そのものの選択肢が地域に閉じている可能性が示唆されます。
詳しくは姉妹記事 都道府県別 婚姻件数 ランキング 2024年 も参照してください。
関連動画(姉妹チャンネル)
姉妹チャンネル「統計データのYouTube投稿」では、本テーマの可視化動画を公開しています。
- 📺 沖縄は富山の2倍!都道府県別 離婚率 — 47都道府県を地図で色分け、ランキングを15秒で俯瞰
- 📺 【次回予告付き】沖縄は富山の2倍!都道府県別 離婚率 — 同テーマの拡張版(次回予告セクション付き)
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まとめ
- 2024年の全国離婚率は 0.155‰(人口千人当たり)
- 最高は沖縄県 0.224‰、最低は富山県 0.113‰ で約2倍格差
- 上位は 沖縄・大都市圏・北海道・九州南部、下位は 北陸〜東北日本海側ベルト
- 背景には若年婚比率・三世代同居率・持ち家率・地縁の強さといった構造要因が複合的に作用
- 離婚率が低いことは必ずしも「結婚が幸せ」を意味せず、選択肢の少なさの裏返しでもある
最終更新: 2026-05-11。本記事は厚生労働省が次年度の人口動態統計を確定公表した際に数値を更新します(例年8〜9月公表)。