都道府県別 最低賃金 ランキング 2024年度|東京1163円・秋田951円・212円差、950円台フロアが10県

最低賃金は、すべての労働者の賃金の下限を国・都道府県が定める制度です。2024年度(令和6年度、2024年10月発効)は全国加重平均で1,055円(前年比+51円)と、過去最大の引き上げ幅となりました。

本記事では、厚生労働省の最新データから、都道府県別の最低賃金時給をランキング化し、地域格差と引き上げトレンドの構造を整理します。

要点を先に整理すると、次のとおりです。

  • 最高は東京都 1,163円最低は秋田県 951円212円差(1.22倍)
  • 1,100円超は東京・神奈川・大阪・埼玉の4都府県のみ
  • 950円台のフロアが10県(秋田・沖縄・宮崎・熊本・高知・岩手・鹿児島・長崎・青森・大分)に集中
  • 2024年度は全国一律で大幅引上げ。地方の950円台フロアが10県も生まれたのは、底上げの結果
  • 単純平均は 998.36円(47都道府県の素直な平均)、加重平均は 1,055円(労働者数を加味した厚労省発表値)

都道府県別 最低賃金 TOP10(2024年度)

順位都道府県最低賃金(円/時)単純平均比
1東京都1,163+164.6
2神奈川県1,162+163.6
3大阪府1,114+115.6
4埼玉県1,078+79.6
5愛知県1,077+78.6
6千葉県1,076+77.6
7京都府1,058+59.6
8兵庫県1,052+53.6
9静岡県1,034+35.6
10三重県1,023+24.6

東京都・神奈川県が1,160円台で2強、続く大阪府が1,114円。1,100円超は東京・神奈川・大阪・埼玉の4都府県のみで、これらが「高賃金圏」を形成しています。

TOP10は概ね三大都市圏(首都圏・近畿・中京)の構成で、これに静岡・三重を加える形です。

都道府県別 最低賃金 BOTTOM10(2024年度)

順位都道府県最低賃金(円/時)単純平均比
1秋田県951−47.4
2沖縄県952−46.4
3宮崎県952−46.4
4熊本県952−46.4
5高知県952−46.4
6岩手県952−46.4
7鹿児島県953−45.4
8長崎県953−45.4
9青森県953−45.4
10大分県954−44.4

下位10県は951〜954円のごく狭い帯に密集しています。6県が同率952円で並び、「950円台フロア」が形成されました。これは2024年度の引上げで全国一律の底上げが図られた結果です。

東京都との差は 212円(1.22倍)。月150時間勤務換算で、月収にして約3万1,800円の差になります。

1,100円超の4都府県 vs 952円フロア6県

格差を可視化するため、両端の構造を整理します。

区分都道府県最低賃金
1,100円超(4)東京(1163)・神奈川(1162)・大阪(1114)・埼玉(1078)1,078〜1,163
1,050〜1,099円(5)愛知・千葉・京都・兵庫・静岡(一部含む)1,034〜1,077
1,000〜1,049円(8)三重・滋賀・栃木・茨城・広島・岐阜・福井・群馬1,000〜1,023
950〜999円(24)多数の地方県951〜998
952円フロア(6)秋田・沖縄・宮崎・熊本・高知・岩手951〜952

「中間層」(1,000〜1,049円)にも8県が密集しており、最低賃金の地域分布は連続的に分散しつつ、両端で団子状に固まる特徴があります。

2024年度引上げが「過去最大」だった理由

2024年度の最低賃金改定は、全国加重平均で前年比+51円(+5.1%)と、引き上げ額・引き上げ率ともに過去最大でした。背景としては次が挙げられます。

  1. 物価高への対応: 食料品・エネルギー価格の上昇に賃金が追いついていなかった
  2. 「2030年代半ばまでに全国平均1,500円」目標: 政府が掲げる中長期目標へのキャッチアップ
  3. 人手不足の常態化: 飲食・小売・介護分野で人手確保のため賃金底上げ圧力
  4. 地方の引上げ幅が大きかった: 平均+51円のうち、地方では+60円規模の引上げを実施した県が多数
  5. 「目安以上」の上乗せ: 中央最低賃金審議会の「目安」(A〜D ランクで定額)を上回る引上げが多数

結果として、地方の最低賃金水準が一気に底上げされ、950円台フロアが10県に集中する構造が生まれました。

地域差が示す経済構造

最低賃金の都道府県差は、単純な「物価差」だけでは説明できません。

  • 東京都と秋田県の最低賃金差: 212円(22.3%)
  • 東京都区部と秋田市の消費者物価地域差: 約 8%

つまり、最低賃金差の方が物価差より大きいことが分かります。これは「最低賃金で働く労働者の実質賃金は地方の方が相対的に高い」という現象を生みます。地方の方が住居費・物価が安いため、950円であっても東京の1,163円より実質的な購買力が高いケースも珍しくありません。

ただし、**「最低賃金で働き続けてキャリアを積めるか」**は別問題で、賃金カーブの上昇余地は都市部の方が大きい傾向にあります。

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まとめ

  • 2024年度の最低賃金は 東京都 1,163円 vs 秋田県 951円212円差(1.22倍)
  • 1,100円超は4都府県のみ950円台フロアは10県
  • 過去最大の引上げ(全国加重平均 +51円、+5.1%)で地方の底上げが進行
  • 物価差以上に最低賃金差が大きく、地方の実質購買力は相対的に高い
  • 「2030年代半ばまでに全国平均1,500円」目標に向け、今後も大幅引上げが継続見込み

最終更新: 2026-05-11。本記事は厚生労働省が次年度の地域別最低賃金を発表した際に数値を更新します(例年10月発効)。

出典